Back 5, 声を出そう Previous Next

 声を出すとき重要なことは、声帯に力を入れないことです。ところが、日本人は普段喋っている発声方法が問題で、喉に負担をかけて喋っています。また“う”は特に喉を締めて、というか響かさないで発声していますので注意が必要です。

 そこでまず、無理のない母音で発声してみましょう。高音域でない無理のない音程で(ピアノの真ん中辺りのミ、ファの音)“あ〜”もしくは“お〜”で普通の大きさ(mp〜mfくらい)で出してみましょう。何か喉に引っかかっていたり、抵抗感は感じませんか。大抵の人はほとんど感じないと思います。もし何か抵抗感を感じたら、腹式呼吸の練習をもう一度やり直して下さい。声帯を意識せず、でも、腹筋や背筋には緊張を感じて無理のない音程の音を出してみて下さい。できればその無理のない声の出し方が高音域の声を出すときも低音域の声を出すときも必要になるからです。

 ここで前回の「発声」の後半に書きました息の流れについて思い出して下さい。良い姿勢で楽に立ち、とってもいい匂いのする花の香りをかぐつもりで息を吸い、息を吐くときには上顎から上の前歯を通るようにしながら声を出してみて下さい。普段カラオケで歌っていたり、喋っている時とは違う響き方をしていませんか。自分では判りにくいので、誰かに聞いてもらって下さい。もし歌う声が大きくなったり、良く響いているなあと感じたときは、鼻腔共鳴といって歌う声が鼻の中まで響く声ができたことになります。コーラスや歌うためのすばらしい発声に1歩近づいた証拠ですよ。


コラム3

 声楽家の歌う声とそうでない私たちの歌う声は聞いた瞬間にわかります。それは声楽家の声がある特徴を持っているからだと思います。普通の(声楽家ではない)人の声は、まさに口元から声が聞こえてきます。しかし、声楽家はそれ以外のところからも聞こえてきます。声楽家の声が口から出ていないというのではないのですが、(声楽家を化け物みたいに扱っているなあ。)それは共鳴といって声帯で作られた音が喉を通り口の中で響くだけでなく、鼻の中や頭蓋骨のなか、そしてその響きが胸やおなかまでも響いているからなのです。その響きが一体となって聞こえるため大きな声として、声楽家とわかるのです。

 さて、このシリーズ発声ではコーラスのための発声をお知らせしたいので、声楽について書かれている本とはちょっと違う情報をお知らせしたいと思っています。

 世にはいろいろな人が書かれた発声に関する本がたくさん出版されています。私も何冊か持っていますが、本を読んで発声がうまくなることはまずありません。上手に発声するには、自分の声を発声の上手な人の聴いてもらって指導してもらうのが一番だと思います。ですからこのページを何度読んでもうまくなりません。このシリーズ発声という企画で大切なことは、普段の練習で、指導者やボイストレーニングの先生がご指導されることを少しでもわかりやすく理解してもらえるための情報を提供できたらと思っています。

Back Next

Copyright(c) 1998 PHACO