| Back | 7,声帯とその周りの体のしくみと共鳴 | Previous Next |
みなさん、寒くなってくると練習のとき、いつも誰かが風邪をひいて休んでいたり、見学をしていたり、何カ月もの間、咳が止まらなかったり、声がかすれてたり、、おだいじに・・。また、3月中旬からは杉の花粉症で、目がかゆく鼻水が止めどなく出る方もおられたと思います。風邪をひいている時や、花粉症で苦しんでいる時は、とっても発声しにくいものです。では、なぜでしょう。
声の作られ方を体の構造から考えてみましょう。むか〜し理科や生物などで学んだ人体の構造を思い出して下さい。声帯のある場所は、男性であればのどぼとけの付近です。丁度首の真ん中ですね。でも声は、口から出てきているように聞こえます。それは、声帯で作られた音が、喉で響いてから、口の中でも響いて、それから声となって出てきます。ここで、注目すべき事は、声帯で作られた音はたいへん小さな音であることです。その音が、喉の管を通ってくる間に増幅され、大きな声となって出てきます。
トランペットや、トロンボーンなどの金管楽器を想像してみて下さい。金管楽器には、マウスピースと呼ばれる口を付ける吹き口があります。その吹き口のマウスピースは取り外せますが、取り外してマウスピースだけで吹いてみると、とても小さな音で、その音からはトランペットやトロンボーンの音色はもちろん、あんなに大きな音が出るのだろうかと思えるほどです。
これが、声が大きい小さいの違いと関係があるのです。声帯で作られた音は、吐く息とともに出てきますが、声帯のあるところは気管の上部にあり、気管がラッパの管のような働きをして音をすこし響かせます。そうやってすこし大きくなった音は、喉の奥や、鼻の中(鼻腔や副鼻腔)で再び増幅されて声となって出てきます。
さて、ここで声帯から出た音を響かせるところですが、普通日本人はほとんど鼻の共鳴、鼻を響かせて発声しませんね。どちらかといえばボソボソと小さな声でこそこそ話をするのに適した声の出し方ですね。ですから、練習によって鼻腔、副鼻腔の共鳴、鼻の中や頭のなかを響かせる様になりたいのです。
風邪をひいている時や、花粉症で鼻がつまっているときは鼻が響きません。これは、声の響き、共鳴で大変重要な役割をしている副鼻腔の入口がつまっていたり、副鼻腔内の粘膜が炎症を起こして膨れ上がってしまい、鼻腔の空間が無くなってしまうからです。で、大きな声を無理に出そうとして声帯に無理な負担をかけ、声帯の粘液などが無くなってしまい、ぴたりと声帯を合わせて声帯を震わせることができず、ガラガラになってしまったりするわけです。
ここで、声を響かせるポイントがご理解頂けたと思いますが、響く声を出すためには、鼻の中の共鳴、特に副鼻腔と呼ばれる顔の中にある空洞を響かせることが大切なのです。そのために、ハミングの練習や、上顎や上の前歯の裏を意識したり、ほおをあげて、ニコッとして歌いなさいと言われるのです。
顔をよく響かせましょう!!
ところで、声帯が痛かったり、声がかすれて出にくい時に、無理をして声を出したり、歌ったりすると、声帯にポリープと呼ばれるできものが声帯上にできてしまい、2枚の声帯の間を息が通り抜けていってしまいます。そして、声帯を上手に振るわせることができなくなり美しい声を取り戻せなくなります。調子が悪そうだと思ったら、無理せず歌わない勇気も必要です。しかし、今日はいい声だ!とか、今日は調子いいぞ!って、時も少し注意が必要です。ついつい調子に乗って無理をしてしまいがちになりやすいからです。(自己反省モード)
でも、あまり心配されなくてもいいです。声帯のポリープは、そんなに簡単にできるものではありませんし、声がかすれてしまってガラガラの声でも、その後声帯に十分な休憩を取ってやればすぐに回復します。回復しないうちにまた大きな声で歌ったりして声帯を酷使すると、ポリープができていた、なんてことが起こります。声帯は一度傷つけたりポリープを作ってしまいますと元には戻せません。大切に使いましょう。
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